カイガラムシの駆除 予防の仕方!バラについた虫は取るのが正解?
バラといえば、ガーデニンの王様的存在感がありますよね!でもけっこう虫がつきやすくて、手間のかかる植物でもあります。
そんなバラにつく虫の中でも今回取り上げたいのが、「カイガラムシ」。硬い殻に覆われているため、駆除するのも一苦労なのです。いったいどすれば、カイガラムシをすっきり退治できるのでしょうか?
バラについてしまったカイガラムシを駆除する方法は?
カイガラムシの種類は多い!
一口にカイガラムシと言っても、その種類は驚くほど多く、「日本原色カイガラムシ図鑑」(東京農業大学河合省三教授著)には約400種にものぼるカイガラムシが記載されています。
見たいですか?40年近く前の出版物なので、手に入れるのはちょっと難しそうですが、運よく目にする機会があれば、おそるおそるページをめくってみては?
ちなみに、実際にはその倍近く、つまり800種ほどのカイガラムシが存在するのではないかと言われているそうですよ!
駆除するにはまず生態を知ろう!
カイガラムシの特徴は、その名の通り、固い貝殻のような物を背負っているところですよね。植物にしっかりくっついて、細い口を幹や茎に差し込んで養分を吸いつつ暮らしています。そして種類にもよりますが、ほとんど動くことはありません。ひたすらチューチュー養分を吸っているのです!足が退化している種類もあるそうですよ。
そして、この植物にがっちりくっついているのは「雌」。雄はサナギを経て羽を持った成虫になりますが、口が退化しており、その寿命は数時間~数日程度。ただただ交尾するため、子孫繁栄のためだけに生まれてくるのですね~。余談ですが、虫の雄ってこのパターン多いですよね。交尾を終えたらすぐ死んじゃうとか食べられちゃうとか、ちょっと切ない運命…。
ということで我々のカイガラムシ退治のターゲットとなるのは主に雌!
な ん で す が!!メスが背負う殻がとても厄介でして…。
これは「虫体被覆物」と呼ばれるのですが、主成分は余った養分と排泄物。それがロウ質の分泌物となってカイガラムシを覆っています。これがまた硬い!そのため、薬剤がほとんど効きません。ではどうするかというと…
薬剤の効かない成虫はこう退治する!
先ほど書いた通り、硬い殻に覆われてしまったカイガラムシの成虫には、薬剤の効果が期待できません。ということで物理的攻撃!植物に固着したカイガラムシを、力づくでひっぺがしていきます。
ここで便利なのが使い古した歯ブラシです。これでガシガシこすり落としていくのです。個人的にはやりたくない作業なのですが、ポロポロ取れるのが爽快!という方も中にはいらっしゃるようですよ?皆さんはどちらでしょうかね…。
枝を切ってしまっても構わなければ、カイガラムシが付いた部分を剪定してしまうのも一つの手段です。
切り落とした時は元気が無くなってしまっていたローリエでしたが、翌年には元気になってくれましたよ~♪枝を切り落とすのは勿体ないと思いがちですが、思い切った行動も必要なのかもしれません。
幼虫なら薬剤が効きます
成虫は薬剤に頼るのは難しそうですが、幼虫ならば話は別。できれば幼虫の段階で駆除してしまいたいですよね。
なにせカイガラムシは種類が多いので、幼虫の発生時期も種によって異なりますが、だいたい5~7月がねらい目です。
この時期になったら、オルトラン水和剤、アクテリック乳剤などを、月2~3回ほどの割合で散布してください。カイガラムシがいなくても、丁寧に散布しておくことをお勧めします!
バラにカイガラムシがつかないようにする対策方法は?
カイガラムシがつくのを予防するのに有効なのが、「マシン油乳剤」と呼ばれるもの。その名の通りマシン油を乳化させたもので、昆虫が呼吸をする器官である「気門」を塞いで窒息させてしまいます。
散布時期の目安は12月~2月の冬時期。散布直後に雨が降ると効きが悪くなるので、晴れが続く日に作業するのがお勧めです。1シーズンに何度か散布しておくと、カイガラムシの発生を予防できますよ!
カイガラムシは、一度発生すると良く年も発生する可能性が高いそうなので、冬の間に予防しておきたいですね!詳しい濃度などは、お使いのマシン油乳剤の説明書きを参照してください。
まとめ
カイガラムシの種類は多いですが、駆除のターゲットとなるのは、主に硬い殻を被った雌。成虫は薬剤が効きづらいため、歯ブラシなどでこそぎ落します。
幼虫の間なら薬剤が有効です。冬季には、マシン油乳剤を何度か散布して、カイガラムシの発生を予防しましょう!